寄与分と特別受益, 安田法律事務所 ☎ 045-651-9631

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特別受益の詳しい説明(2)

特別受益に含まれるもの

遺贈

民法903条1項の条文上、遺贈はその目的に限定がありませんので、遺贈はすべて特別受益に含まれます。遺贈というのは、遺言によって遺言者の財産の全部または一部を無償で相続人などに譲渡することです。遺言で被相続人が共同相続人の一人に対して、不動産や預金、現金を相続させるとされている場合は、それが特別受益になるということになります。

 ただし、903条3項に規定されている様に、被相続人が持戻し免除の意思表示をしているときは、特別受益を相続財産に持ち戻さないことになります。そこで,この持戻し免除の意思表示が認められるかどうかは大きな問題になります。つまり相続の調停などでよく争いになります。たとえば相続人全員に対して同じ様な贈与がある場合は,持戻し免除の黙示の意思表示があったものと考えられます。でも全員同じだったらあまり争いにはなりませんね。

生前贈与

生前贈与は、その目的が婚姻または養子縁組のためかその他生計の資本としての贈与である場合は特別受益になりますが、実質的には生前贈与が相続財産の前渡しとみることができるかどうかが基準となります。

婚姻または養子縁組のための贈与

結婚などのときの持参金や支度金と呼ばれるものが特別受益になるかどうかは金額にもよります。被相続人の資産がとても多く生活水準が高ければ、同じ金額であっても扶養の一部であり特別受益ではないとされることがあります。 結納金や結婚式・披露宴の費用などは一般的には特別受益にならないとされています。

大学の学費など

専門学校、大学、大学院、留学などの費用が特別受益になるかどうかは、被相続人の資産、社会的地位、他の相続人との比較などのいろいろな事情によって決まってきます。特別に高額なものである場合は別ですが、通常は、子供によって差があっても、それは子供の資質や能力に応じた親の子供に対する扶養義務の履行であるとされることが多いようです。

生計の資本の贈与

居住用の不動産の贈与、不動産の購入資金、事業のための営業資金など、生計の基礎として役立つような財産上の給付をいいます。相続分の前渡しと認められる程度に高額の金員の贈与は原則として特別受益になるでしょう。 相続人の借金を被相続人が代わって弁済した場合は金銭を贈与したのと同じことになるはずです。そこで、その代わって弁済した金額の大きさや、相続人に対する求償権を放棄したかどうかが判断の大きな基準となります。 相続人に代わって弁済した人は相続人(本来の債務者)に対して求償権(代わって弁済した金を返せという権利)を取得しますので、求償権が残っている場合は被相続人の財産の一部が現金から求償権という債権に変わっただけと考えられるからです。

結婚祝い・新築祝い・入学祝い

子供にお祝いごとがあると親からお祝い金を渡すことがよくあります。これは、特別に高額であったときは問題になる余地がありますが、親としての通常の援助の範囲内で行われたお祝いという趣旨に基づく贈与であれば、特別受益には当てはまりません。特別に高額であったかどうかはその親(家庭)の経済状況などによるので位置害にいくらなら特別に高額ということができません。

配偶者に対する居住用建物・敷地の贈与の場合の推定規定(903条4項)

婚姻期間が20年以上の夫婦の一方が被相続人であるときに(要するに先に亡くなった場合)、その被相続人が、夫婦の他の一方(配偶者です)に対し、その居住の用に供する建物またはその敷地について、遺贈または贈与をしたときは、その被相続人は903条1項の規定を適用しない旨の意思を表示したものと推定する。という規定ができました。その結果、配偶者が住んでいる家(建物敷地)を遺贈されたときに、家だけあってそれからの生活費がないという状態になりにくくなりました。

 

いつまでも働かない子供に対する援助

子供に障害があるために働くことかできない場合、子供が引きこもりなど精神的な理由から働かなかったりする場合は、長期間、子供が親からの援助を受けることになります。しかし、そういう場合であっても親が子供に対する扶養義務として援助している場合には特別受益にはなりません。

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弁護士 安田英二郎

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